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春ちゃん成ちゃんへの手紙
~ママの日々~


2003年10月30日(木) [長年日記]

_ [成ちゃん]修学旅行・完結編

成ちゃんの食事は旅行中も相変わらずいつもの胃ろうから注入でしたが私は毎食美味しくいただきました。特にホテルでの食事は朝食、夕食ともなかなかの充実。この旅行中にたぶん体重は増えていることでしょう、くわばらくわばら...(くわばら..こういうと突っ込んでくれる人が前は二人ほどいましたが。)

今朝の成ちゃん、ちょっと熱っぽくて38度ほどありました。アイス枕とか、水分補給をしていると37度ほどにさがってホッとしました。でもちょっとお疲れ気味かな。今日は帰るだけなのでのんびりいこかー、と言うことで他のお友達は東京タワー見物などに出かけて行きましたが成ちゃんはゆっくりチェックアウトし、ホテルの喫茶店で水分補給をして時間を見計らってタクシーで東京駅へと向かいました。

今日は気温が下がると天気予報で言われていましたが昨日に引き続き良いお天気。タクシーの中は暑いくらいでした。タクシーのトランクには車いすを積んで貰ってきっちり閉じられないので東京駅までは高速を使わず、一般道を走りましたが この方が断然おもしろいですね。知らない街を景色や地名を確かめながら走るのは楽しいものです。帰ったら地図を広げて確認してみよう。

東京駅で東京タワーチームと合流。少しの間駅前の広場で休憩。空は青くて風は爽やかで本当にいい気分。成ちゃんも良い調子。すこしの時間に皇居の方へ数人が見物に行ったようです。後で分かったのですがこの日は著名人が一堂に会する秋の園遊会が催されていたのですね。

東京駅に到着「写真撮るよー」「ちょっと待ってー」ハイ良いお顔ー

東京駅の中に一歩入って見上げると 天井はドーム状に高くなっています。ここで3年前お姉ちゃんが修学旅行に来た時のエピソードがありまして..。TDLで買ったプーさんの風船。それぞれに持っていたうちのひとつがこの天井高くにフワフワと飛んでいってしまったのだそうです。とても高くて届くはずもなく残念ながら諦めて帰りの新幹線へと向かっていったそうです。そうしたら後から駅員さんが高く飛んでいってしまった風船を取り戻して新幹線ホームへと届けに来て下さったのだとか。 感動したお話しでした。

そんなエピソードが起こったのがココ。

東京駅の天井

時の流れを感じながら思わず「へー、ここかー。」と何度もつぶやいた私でした。

帰りの新幹線にも無事にみんな乗り込んでホッとひといき。 行きとはうってかわって、うっすら富士山も見えました。 車内で昼食をとり 成ちゃんもお昼の注入を終えると京都が間近になってきました。あとは京都駅で乗り越すことなく降りればほぼ無事に帰り着いたことになります。 横を通り過ぎる車内販売のワゴンに積まれた品物をチラチラ見ては「わさび漬けがあったよ」とか「安倍川餅があったよ」とか「ういろうがあったよ」などと嬉しそうに話している私たちの口にはしっかりういろうが..。ごちそうさま、O先生。

そうこうしているうちに京都に到着。降りて寒いといけないのでジャケットを用意して みんな降り損ねることなく無事に降りました。 一歩京都駅に足を降ろした瞬間、「あー、東京へ行って、そして帰ってきた。」という思いがわき上がって不覚にもウルウルしそうになりました。実は必死にこらえながら解散場所のお祭り時計広場へ。そこで先生方の挨拶を聞き、付き添って下さった看護士さんにお礼を言い、一人欠席はあったものの、参加者は無事に行って帰ってこれたことを喜び合いました。ほんとうによかったなーと言う気持でいっぱい。先生方や看護士さんにありがとうの思いがいっぱいでした。 NOBさんも迎えに来てくれていたので先生方に見送られて車に乗り込み「ありがとうございました。」のご挨拶。先生が「成ちゃん、えらかったねー。お母さんも付き添いご苦労様でした。」とねぎらいの言葉をかけて頂いた瞬間、ウルウルが一気にこぼれ落ちてしまいました。

2年前の事を思うと 修学旅行など考えられませんでした。でも地道な努力を積み重ねていくうちに だんだん自信がついてきました。最初は活動範囲を広げるために社会見学を成功させる取り組み、家以外で放課後と一泊体験をした寄宿舎体験、合宿はお泊まり無しで体験。一駅電車に乗る取り組み、京都駅見学、新幹線に乗る取り組み...。ひとつづつ、ひとつづつが成ちゃんと先生と親の自信になっていきました。 主治医の先生方の意見も聞き、ネットのお友達にも励まされて。 ほんとうにいろんな方々のお陰で無事に成ちゃんの修学旅行が実現したなぁとしみじみ感じています。

よかった、そして ありがとうございました!