ハルちゃんとナルちゃんのおいたち


緊張の増幅

ナルちゃんは伸展傾向に入ってから、徐々にその度合いが増しています。それは今も続いていると言えます。緊張が増幅する理由はたくさんあるように思いました。1つは環境の変化。ナルちゃんは自分のテリトリーがハッキリしていて、その中にいるときは安心しています。でも、一旦そこから出るとたちまちからだが緊張します。体が硬直して顔つきも怖くなります。予想以上に不安な大きいと泣き出してしまいます。

緊張が増幅するに連れて、また、緊張が増幅する機会が増えるという悪循環に陥ってきます。食事の時、食べることが大好きなナルちゃんは、食事の時間と分かると緊張します。食べ物がスプーンに乗って自分に近づいてくると食べようとして緊張が強くなり、開けようとしている口が緊張で開かなくなるのです。

強まる緊張の中、必死で口を開けるのですが、何とか開いた口にスプーンが入ってくる前に緊張の余り空を切って口は閉じてしまいます。思うように行かない苛立ちでますます緊張が強くなります。

なんとか口に食べ物が入っても、緊張が強いので咀嚼が上手くできません。口を強く閉じるため折角口に入った食べ物がこぼれてしまったり、飲み込むのにもまた緊張を伴います。

このようなことも含め、好きな音楽が鳴ったとき、好きな先生を見つけたとき、知らない人が近づいてきたときなどいろんな場面で緊張は増幅していきました。

そうこうしているうちに、口からの栄養だけでは体を維持できなくなってきました。そんな中でも、何とか口から食べられるようにとがんばりすぎて、かえってナルちゃんを辛い目に遭わせてしまいました。

今から思えばどう見ても栄養が足りていないのは歴然としていました。そのころナルちゃんは生命を維持するのにギリギリの状態だったようです。よく眠り、弱々しく力のない表情でゲッソリ痩せてしまったナルちゃんにすぐに気付いてやることが出来ませんでした。

2004年07月13日 14:11更新